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木彫人日記

木彫作家人見元基のブログ。 作品紹介・制作記・ラーメン屋探訪・旅日記等々、写真いっぱいで公開。


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木を彫るということ

木という素材について語ろうと思います。



木は古今東西彫刻というジャンルのなかでは最もポピュラーな素材


のひとつであるけど、ぼくは彫刻の勉強を始める以前から木に対しては思い入れがありました。





自分にとっての木



"やわらか"くて"かたい"もの


"ぬくもり"がある"つめたさ"をもつもの






とでも言うのでしょうかね。

大丈夫ですか?

ついて来てくださいよ?



肉体ほどのやわらかさはなく、しかし石ほどの硬さでもない。

ぬくもりのような暖かい面をもっているとも言えるし、どこかつめたいような

質感をもっているとも言える。




素材としても非常に加工に適した特性だと思うし、

そういうニュートラルな表情が大きな魅力にもなっているんだと思います。




sozai1.jpg

よく素材に使うクスノキ。粘りが程よく強く、木彫に適する。


sozai2.jpg

木目という木特有の模様は、木が育った環境によってそれぞれ異なる。

木目の美しい木に出会うと、それだけでテンション





MY道具


mydougu.jpg

こいつがないと木彫人はやっていけません。

商売道具の鑿(のみ)です。

刀こそ己が魂である武士のごとく、使用後はお手入れを欠かしません。


mydougu4.jpg

鑿の尻をハンマーでたたいて彫りをいれていきます。

mydougu2.jpg

鑿の特徴は、彫刻刀にくらべて大きな量を削れること。

彫り始めの大まかな形を出すのが鑿、繊細な彫りこみをいれるのが彫刻刀と

使い分けるのが一般的。




他にも丸太からいっきに削り落とすために、のこぎりや電動チェーンソー


平らで均等な面を出すためのカンナなど、木彫には様々な道具が必要になってきます。






簡単に言えば、彫るという作業は、出したいかたちと必要な量のかたまりを上手にその場に

残していく引き算の作業、というところですね。


足し算もできなくはないんですけど。
 
精神とたましいの器




木はいうまでもなく生き物ですから、丸太になった時点ですでにそれは死体です。


放っておけばヒビもはいってくるし、雨ざらしにすれば腐って土に還ってしまいます。




特に古い彫刻ともなれば、保存技術の力がなければその形を維持するのは難しい。



しかし絶えず変化し続ける姿が、その作品の持つメンタリティーを一味も二味も違うものに


していくこともあります。


rs5.jpg


僕の好きな作家というか職人ですが、中世ドイツのリーメンシュナイダーという人の彫刻。


宗教彫刻が主ですが、この人の作品からは単なる信仰心を超えたリアリティーを感じます。



木とは思えんこの肉感・・・

rs1.jpg




面白えなぁ・・・


神技とも言うべき見事なまでの彫り捌きはもちろんのこと、


この瞑想するかのような哀愁を漂わせた表情。


どの顔も似ているのは作者自身を投影させているからなのかもしれない。

rs3.jpg


顔に入ったひびでこの彫刻のもとの姿が木であることに気づかされてハッとさせられてしまう。


それでも作品の持つ精神性を壊すことなく、むしろ別の魅力をはなっているように思えます。


魔性とでもいうような。





作家の思想と木が持つ生命力、この二つを確かな技術を持って融合させる。


いい作品とはそのようにして生まれるんじゃないかと思います。




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